4歳の頃、サンタさんを見た。
クリスマスの夜ふと目が覚めて窓のあたりを見たら、大きな袋を持ったおじさん(そう見えた)が窓から出て行くところだった。
部屋は2階。「サンタさんだぁ!」と思ったが口には出さなかった。妙に眠かった。
翌日プレゼントがあった。
当然両親が用意したものだが、私はサンタさんが持ってきてくれたんだと信じていた。
「見た」という根拠があったので中学にあがるぐらいまで、私はサンタさんを信じていた。
最近になってなんとなくそのことを思い出して、両親に言ってみた。
母がぽつりと言った。
「あの頃ね・・・ヘンなことがいっぱいあったの。お風呂に土の足跡がついてたり、ものがなくなったり。だから、お母さんはあんたが見たのはサンタさんじゃないと思う。あんたがその時声出さなくて、本当に良かったと思ってるよ・・・」
そういえばあの袋は、サンタさんの持っている白い丸い袋じゃなく汚いずた袋のようなものだった気もする。
ほんのりと怖い話34