小学生の頃の話。
家を改築して、やっと姉と2人で部屋ひとつという状態から、念願のひとり部屋となったのだが、箪笥とか机とかも姉と共用だったため、自分の部屋になんにもなくて困ってたところ、親戚からお古の学習机をもらうことになった。
一週間後に、その机が届いたのだが、これまた年季が入った感じの木の机で、親戚の子の描いたラクガキとか、ビックリマンシールとかがベタベタはってあったりして汚いし、一番上の引き出しが、鍵をなくしたとかで開かなくなってて、お世辞にも貰って嬉しいシロモノじゃなかったのだが、まぁしかたないやと思い、それを部屋に運んだ。
少しでも机をキレイにしようと、シンナーでラクガキを消したり、雑巾でゴシゴシ拭いたりして念入りに掃除してたら、3段目の引き出しの奥のほうにガムテープが貼られているのを発見した。
なんだろ?と思ってはがしてみたら、ガムテープで貼られていたのは小さな鍵だった。
なんだ、引き出しの鍵あるじゃんと思って、さっそくその鍵で一段目の引き出しを開けてみた。
その引き出しの中には、青白い色をした動物の肌みたいな感じの謎の塊が、引き出しの中いっぱいに詰まっていた。
それは、生きているみたいにぴくぴく震えてた。(気持ち悪かったので触る勇気はなかった)
私は、ものすごい悲鳴を上げて部屋を飛び出して、下にいる母親の所に行って、「机の中になんかいる!なんかいる!」と、大泣きしながら母に訴えた。
私が泣くのがおさまった頃、母と一緒に部屋へ戻って恐る恐る引き出しの中を確認したら、中には何も入ってなかった。
夕飯時に、姉にその話をしたら、「それってドラえもんじゃないの?」と笑うだけで、ぜんぜん話を信じてもらえなかった。
その机は、とても使う気になれなかったので、親に我がままいって新しい机を買ってもらい、問題の机は粗大ゴミに出した。
ほんのりと怖い話36