落ちる写真

ウチの仏間には、昔から親戚や曾祖父母の写真がずらーっと掛けてある。
先日仏間の改築が済んだ時、外していた写真をまた掛け直した。
その日からだけど、なぜか写真がよく落っこちるようになった。
きちんと掛けているのに、朝になると必ず一枚か二枚、それも同じのばかり落ちる。
特に思い当たる事も無く、気味は悪いが放っておいた。

ある晩、妹と母に起こされた。仏間に誰かいる!
あいにく父は留守。そこでデッキブラシを構えて一人立ち向かった。
本当に人の声がする。それも女二人?よく聞き取れないが、喧嘩してるみたいだ。
女なら何とかなるかと思い、思い切り奇声をあげて突入した。

誰もいなかった。
ポカーンとしてると、突然何か落ちてきた。
写真が二枚。・・・どちらも女の写真だった。
即効で襖閉めて寝た。

何日か過ぎて、親戚のおばさん達がやってきた。
母の話を聞いて見物に来たらしい。
怖いからと付き合わされうんざりしていると、一人が写真を指して
「もしかして、落ちる写真ってこれとこれじゃない?」
当たってた。何でわかる!?と言うと何とおばさん達全員「あーやっぱり・・・」と肯いた。

聞いてみると写真は、片方は曾祖母。もう片方は祖父の兄の嫁。
二人ともめちゃくちゃ仲が悪く、それはもういろいろあったらしい。
そういえば、掛け直す時適当に並べていたような。
言われた通り離して掛けてみたら、その日から変な事はぴたっと収まった。

死んでからも喧嘩しなくてもなぁ・・・

ほんのりと怖い話36

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