目隠し

俺の婆ちゃん家には裏山がある。
よく山菜を採ったりキノコを採ったりした。
ある時、俺の親父がその山に用材を届けに行った。
そしたらそこにじいさんがいた。

何をしているのかと聞くと、いきなり聞かれた。
「今日ここに荷物を運びにきたのは何日目だい?」
と聞かれたので、初日だ と答えた。
そうか、と言っただけで相変わらず一服している。

そして帰りに婆ちゃん家に寄ってそのことを話した。
どんな姿か聞かれたので別にふつうだったと言った。
そしたらこう聞かれた。
「顔は覚えているかい?指は何本?」と。

顔はなぜか覚えていなかった。
ちゃんと顔を見て話したはずなのに。
でも指の数は五本だった。
顔を思い出せないと言ったら、婆ちゃんが言った。
それは 目隠し だって。

そして思い出したようになんと答えたかを聞いた。
初日と答えたといったら。 安心した。
何でもその妖怪は1~2より上を答えると小さい不幸を起こす妖怪だという。
よくわからない、意味不明な妖怪の不思議な話でした。

山にまつわる怖い話53

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