俺が子供の頃の話。
夏休みなどで実家に帰省するのが嫌で嫌で仕方がなかった。
理由は単純。気味が悪い事が起きるから。
実家といっても古臭い建物でもなくて、家の周囲には玉砂利なんか敷いてある。
ちょっとオサレな建物なんだけど…これが特定の条件を満たした夜は妙な事が起きる。
条件は「雨」
雨の夜になるとこの家の敷地内を誰かが歩き回る。
一晩中「ジャリ…ジャリ…… ジャリッ」ってぐるぐると歩き回る。
子供の頃はホント怖くてなー。
よく祖父祖母に泣き付いたもんだよ。
んで、つい先日。
現在は祖父も亡くなり、祖母も叔母と暮らすようになった為、住む人がいなくなった実家を掃除がてら様子見に行ってきた。
水もガスも止まっているので、近所の銭湯に行き、外食を済ませると…
外には雨がぱらついていた。
幸い電気は通じているので懐中電灯生活は免れたものの一人じゃすることもなく、ネット環境もない。
雨足も酷くなる一方だし、とっとと寝ることにした。
布団を被ってボーっと雨音を聞いていると外で「…ジャリ」と踏み出す音が聞こえた。
あー またか。
「…ジャリ… ジャリ ジャリ ジャリ」
足音は時に規則正しく、時に間をおき、一晩中家の周りを歩き続けた。
夜も開けて、母に掃除も終え、家に帰る旨を携帯で連絡。
「ネズミがでたり、何か変わった事がないか?」と聞かれたので
「10年経った現在でも、家の外を誰かが歩いてる以外異常ないよw」と答えたところ、意外な返答がかえってきた。
「あんた昔から言ってるよね。T子(叔母)も子供の頃からそんなこと言ってたから、もしそれが本当なら、10年どころじゃないんじゃない?」
叔母も同じ事を言ってたというのは初耳。
どうにも気になって、帰り道T子叔母に携帯で話をしてみた。
叔母が言うには確かに家の周りを歩き回る足音に悩まされてたそうだ。
ソレが嫌で全寮制の学校に進んだほどだという。
叔母は言う。
「あの足音さ時々立ち止まるじゃん?あれ…なんだと思う?」
俺は答えた。
「さぁ?落し物でも探してるんじゃん?w」
叔母も答える。
「あたしはさ 家の中の様子を探ってるか 覗いてるんだと思うんだよね」
…ちょっとゾッとした…そんな今週末ですた。
ほんのりと怖い話48