満面の笑顔

1年前の梅雨頃

何かの打ち上げで暗くなってから帰った時の話

人気のない道を自転車でイヤホンを使いながら走ってた
向かいから人が歩いてきたからなんとなく顔を見たら満面の笑顔で口を動かしながらこっちを見てる
 
俺は男だったしそいつも男
変質者じゃなくて頭のアレな人だろうと思ったけどそのまま走ってたらまたそういう人が歩いてきた
次は女性だったと思う

怖くなってイヤホンの音量を上げたんだがどんどんそいつらとすれ違う
もう道だけしか見ずに急いでたらいつの間にか知らない場所だった
俺は知らない道でもそのまま進んじゃう性格だからその日もそのまま行ったんだがついに行き止まりについてしまった

右手には畑、
その先には知ってる道路があったんだが畑には自転車で渡るには細い道?
しかもなかなか遠い
引き返して別の道から行くかと思いケータイで時間を確認しつつ振り向いたら視界の上の方に足が見えた
こっちにつま先を向けた足がいくつも顔を上げたらその人達が満面の嫌な笑顔で口を高速で動かしてた

イヤホンは音量MAXだったから喋ってるのかどうかわからなかったけど俺は自転車も捨てて畑を突っ切って道路に出て振り向かず走って帰った
ケータイだけは手に持ってたから良かったけど財布と自転車は失くしてしまった

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?321

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