1年半前の話です
ぼくは不動産の販売をしてるリーマンなんですが、当時新人でその時扱った中古マンションの話。
このご時勢、住宅ローンを返せなくなって、しかたなく売却というのは良くある話で、そのときは、チラシの反応で査定をしてくれないかということで依頼者のところにいった。
大阪の某市にあるマンションでそのエリアは住宅街で、中高層の建物はそのマンションということもありすぐにそこへたどり着けた。とうぜん地図も持ってるので。
さっそく依頼者のとこへ、こういった借金苦の人はやはり暗い様子で、部屋も汚く、50代の白髪まじり、目が片方ちょっと違ったほうを向いてる、身寄りのない男性でした。
案件としては、債務超過(売却したお金をもってしても、住宅ローンを返せない)
にはなっていなかったので売却依頼を正式受理し、売却活動をしていくことに。
そして不動産業者の義務として、自殺とかそういった類の聞いたりあったりしてませんよねと聞いたところ、ないです。と返答。
債権がらみということもあり、早期に売却してしまわないといけないこともあり、相場よりある程度低めに売却金額を設定し活動しました。
しかし、なかなか買い手が見つからない…
こういうのは表ざたに言っていいのかわかりませんが、学校区がB地区にかぶっていたこともあったので、それを含めての金額設定だったのですが。
それでも見つからない…
新人だったので査定を甘くみてたのかなと思って、売主にも相談し徐々に金額を下げていくもなかなか買い手がつかず途方にくれてました。
しまいには、相場よりもありえないくらい低い売却金額になっていました。
その物件自体は8階建ての7階にあったので、ふと最上階からの景色を見てみようと思い8階の廊下から外をみていた時に、突然後ろの扉が開きおばさんが出てきて「あんた何やってんの!」っと言われびっくりしました。
普段はスーツを来てることもあり、マンションの住人からも不動産屋というこもバレていることもあって住民からは「なかなか売れへんねぇ」とか、軽い挨拶程度のことはしてくれてたんですがその時は様子が違いました…
あぁ変な人も住んでるなと、その時は思いました。
しばらくたって、管理人さんとも仲良くなり、あそこなかなか売れないんですよ…となげいてたところ、管理人さんが申し訳なさそうに口を開き、「半年前、8階からそこに近くに住んでる(マンションの住人ではない)おばさんが飛び降りたんよ」と・・・
「あんたがいつも通ってるそこ、綺麗になってるやろ?そこに落ちはってん」と・・・
ってことは、あの8階のあそこから落ちたんか、だからおばさん狂ったように怒りはったんか
とハっと気付きました・・・
当然、売主にも詰め寄り、何でそのこと正直いってくれなかったんですか!と言いました。
売主いわく、売却額が下がるとお金に困るので、言ってきました。。
完全に自分の調査ミスということもあり上司にはこっぴどく叱れました。
原因がわかったこともあり、また金額が安いということあって、近くに住んでいる自殺があったことも知っている夫婦に買い手が決まりましたが。
死者が最後にみた光景を自分も見てたことにゾっとしました。
初めての体験で、この業界の怖さも改めてしったそんな実はです。
そのほかにも、こういった案件(さらにハード)を取り扱ったことがあるのでその話はまた時間があるときに書き込みますね。
ほんのりと怖い話64