この前見に行った中古物件の話。
3階建てで、玄関入った瞬間から湿った空気が流れている感じで凄く気持ち悪く、あちこちに(それこそ押入れの中まで)盛り塩がしてあるんだが、何故かそれが全部崩れていた。
1階と2階はあちこちに張り紙があって、「バイキンに汚染されるのを防ぐ手段」「バイキンが頭の中に入ってくるのを防ぐ方法」だのがあちこちにあった。
2階から3階にあがる階段は、赤マジックらしきもの(ペンキではなくて透明な感じ)で塗りつぶされていて、あちこちに「バイキンが降りて来る」「バイキンは3階にいる」と書いてあり、3階の一番広い和室のドアに「バイキンこの中」「バイキンよでてくるな」「あけるな」と張ってある。
だが不思議なことに、他の部屋が荒れていて湿気だらけなのに対して、このバイキンの部屋だけ畳も壁紙もほとんど汚れておらず湿気もない。
窓が締め切っているのにどこかしら風が通るというか、綺麗な部屋だった。
空気も軽いというか・・・まあ、日当たりが良いこともあるんだろうけど。
で、この部屋の角の部屋(多分方角的に北~ちょっと東より)に棚があって、そこに☆←これをさかさまに書いたような絵が描かれた紙と、手に三椏のヤリ?みたいなものをもった観音様みたいな像が置かれていた。
なんか「バイキンがいる」とされている部屋が一番綺麗っておかしいんだよな。
状況的には逆だし、普通に考えたら信仰の対象である観音様みたいなのを置いているわけだし。
聞いた話では、高齢になって奥さんと離婚、子供も自立して高齢の男性が一人で住んでいたらいしということで、
その人の頭がおかしくなってそういうことをしてしまったんだろうけど、綺麗な部屋に住むバイキンって何だろうなぁ、とちょっと考えてしまう。
ほんのりと怖い話114