友人の話。
子供の頃、ボーイスカウトに参加して山登りをした時のこと。
山の中腹にさしかかった頃、上の方から一組のパーティーが下りてきた。
それを見た引率の教師は、急に緊張したという。
子供たちに、挨拶はするな、下を向いたまま顔を上げるな、という指示が出た。
彼らは意味も分からず、じっと下を向いていた。
そのパーティーは奇妙なことに何の反応も見せず、すぐ横を通り過ぎていく。
プンとした悪臭が匂ったそうだ。
パーティーの足元を見ると、何人かは靴が腐り落ちて裸足同然な状態になっていた。
剥き出しになった足は、むくんでどす黒い色になっていた。
彼がボーイスカウトで不思議な体験をしたのは、これが最初で最後だったという。
あれは一体何だったのか、今でも不可解だそうだ。
山にまつわる怖い話4