赤い火

友人の話。

真夜中に、山中を貫く高速道路を走っていた時のこと。

谷を挟んだ向こう側の斜面に、急に赤い火のようなものが灯ったのだという。
それは黒い山影の中を滑るように動き出し、縦横無尽に飛び回り始めた。
そこいら一帯は針葉樹の深い森になっており、とてもそんなに激しく動き回れるような環境ではないはずだった。

火はしばらく車と並走していたが、やがて素晴らしいスピードで山肌を駆け上り姿を消したのだそうだ。

山にまつわる怖い話4

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