赤い火 2019/5/25 雷鳥一号 友人の話。 真夜中に、山中を貫く高速道路を走っていた時のこと。 谷を挟んだ向こう側の斜面に、急に赤い火のようなものが灯ったのだという。 それは黒い山影の中を滑るように動き出し、縦横無尽に飛び回り始めた。 そこいら一帯は針葉樹の深い森になっており、とてもそんなに激しく動き回れるような環境ではないはずだった。 火はしばらく車と並走していたが、やがて素晴らしいスピードで山肌を駆け上り姿を消したのだそうだ。 山にまつわる怖い話4