葬式の連鎖

私が小学校低学年当時住んでいたところは、まわりをなだらかな山に囲まれ、その合間を縫うように東西に伸びる旧街道沿いに家が展開している町だった。

あるとき私と同学年の子のお父さんが亡くなった。
その翌月にも同じ年学年の子がいる家でお父さんが亡くなった。
そして、三度目は2ヶ月置いて。

このころになると町内でも「今年、葬式多いし、ちょっとヘン」いう声が出だした。
みんな三十代初めから四十そこそこの若さで死んでいる。
そしてそれらの家には必ず同じ年齢の子供がいて、東端の家から西へ向かって順番に葬式を出しているのだった。

そうして4件目の葬式も出た。5件目も。
町内に同じ年の子は7人で、私の家が西端だった。
次の次は私の家・・・
学校に通うために道を歩いていると、東の向こうから得体の知れないものがじわじわと忍び寄ってくるようで恐ろしかった。
このままだとお父さんが死んじゃう、とびびっていたらこの葬式の連鎖はその5件でぱったりと止んだ。

いきなり始まっていきなり終った。
しかも終り方中途半端だし。
未だにあれがなんだったのかわからない。
親に聞いても「あれは気持悪かった」とのコメントしか採取できなかった。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 9

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