先輩の話。
キャンプ場でテントを建てていると、新参のキャンパーが来たのだという。
なぜか彼らは傷だらけで、先輩たちを見て泣き出しそうな顔になった。
驚いて手当てにかかり事情を聞いた。
途中の山道で、蒼黒い大きな蝸牛の群れに襲われたのだという。
一度に何匹にもたかられて齧られ、生きた心地がしなかったのだと。
その蝸牛は南京ほども大きかったという。
先輩は後にも先にも、その山系でそんな目撃談を聞いたことは無いという。
しかし、彼らの血の滲む肌には、やすりで酷く擦ったような傷が確かについていたそうだ。
山にまつわる怖い話6