先輩の話。
ボランティアで、地元のボーイスカウトキャンプの引率をした時のこと。
キャンプファイヤーの準備をしていた時、懐中電灯を取りにテントに帰った。
ファイヤー場所に戻る途中で、交換用の電池も持っていっておこうと思い直す。
テントに引き返した彼は愕然とした。
わずか二、三分の間に、テントの内側一杯に盛大な落書きがされていた。
様々な抽象記号や、見たこともない動物の姿が描かれていたそうだ。
落書きはまだ乾いておらず、かすかに青汁みたいな匂いがしたという。
帰宅後に部室で汚れを落としたのだが、なかなか落ちずに大変だったそうだ。
先輩はキャンプに参加した人には、この話をしていない。
山にまつわる怖い話6