真新しい藁人形

知り合いの話。

彼女と二人で里山を歩いていたという。

少し広くなった峠道に、昔風のお茶屋があった。
彼女の希望で、お茶でも飲んでいこうということになった。
お茶と茶菓子を注文したが、さすがにメニューの大半は今風の物だったそうだ。
店内ではお土産品も売っていたが、片隅に異様なものが置いてあった。

真新しい藁人形がうず高く積まれていた。

お茶菓子を食べ終わると、すぐに店を出たのだという。
肝心のお味の方は、まったく憶えていないそうだ。

山にまつわる怖い話6

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