アメリカで山岳ガイドに聞いた話。
ある州には、松林しか生えていない荒れ果てた山々があるそうだ。
大昔、白人の婦人が産み落とした化け物がうろついているという伝説があるらしい。
ガイドがこの地でキャンプした時に、遠くの松林の中で奇妙な物が見えたという。
光る球が何個も連なって、山谷を渡って行くのだ。
首を傾げている彼に先輩ガイドが教えてくれた。
正体がわかるほど近づいた者はいない。
過去にはいたらしいが、皆、夜の山に呑まれたように行方不明になっているという。
地元の住人の間では話題にすら上げられないのだと。
そこまで聞いて、彼はそれ以上関わらないことにしたのだという。
山にまつわる怖い話6