同僚の話。
街付近の山に空港が作られた。その造成工事の最中のこと。
広大な山が削られて更地にされていたのだが、いきなりブルドーザーの足元が液状化を起こして、まるで水のようになったという。
ずぶずぶと沈み始めた車体から運転手が逃げ出すと、ブルドーザーはそのまま地面の中に姿を消してしまった。
すぐに皆が集まってきたが、そこの地面はとても機械一台を呑み込んだとは思えないほどしっかりと固まっていた。
工事は続行されたのだが、それからも引き続き二台の工作機械が地の中に姿を消してしまった。
怪我人こそ出なかったものの、現場の雰囲気はすっかり悪くなったそうだ。
困り果てた土木会社は、地鎮祭をもう一度執り行うことにした。
するとそれ以降、機械が山に呑み込まれることはなくなったという。
一度目の地鎮祭には、何かしらの不備があったのではないかと噂されたそうだ。
山にまつわる怖い話7