先輩の話。
里山でキャンプしていた時のこと。
夜テントの中で寝ていると、どこからか微かな声が聞こえてきたという。
その声が何を言っているのか分かった途端、眠気は冷めた。
お経だった。
声が聞こえなくなっても、その夜はもう一睡もできなかったそうだ。
明朝、テントの撤収をする時になって気がついた。
テントのすぐ横の地面に石が敷き詰めてあり、そこには人が横になれるくらいの溝穴が掘ってあった。
明らかに火葬場の跡だった。
テントを張る時は、周りをよくよく確認しなくちゃいけない。
先輩はしみじみとそう教えてくれた。
山にまつわる怖い話7