後輩の話。
地元で山の清掃作業をしている時に、不気味な物を見つけたという。
真白い茸が、赤黒い紐のようなものに沿って群生していた。
茸には大小様々な蛞蝓が取りついて、貪り食べていたそうだ。
道端に退かそうか悩んでいるうちに、赤黒い紐の正体が判明した。
半分溶けかけて、肉が覗いた青大将の死骸だった。
思わずスコップで土ごとすくい上げ、遠くへ放ったという。
このあたりの蛞蝓は、蛇を取るからな。
顔見知りのお爺さんにこの話をしたところ、そう言われたのだそうだ。
蛞蝓は大群で蛇を取り囲み、どうやってか殺してしまうらしい。
死んだ蛇の身体からは白い茸が生えてきて、蛞蝓はそれを食べ尽くすのだと。
三すくみというのは、本当にあるのかもしれない。
そう彼は思ったのだそうだ。
山にまつわる怖い話8