父の想い

父親が首吊り自殺で亡くなった。
埋葬するまでの期間、首から鎖骨にかけて、謎の湿疹?炎症ぽいのが出来た。

それと、首が絞められてる感覚もあった。
例えるなら、マフラーを少しキツめに巻いてる感じが四六時中。

寝てる時その感覚が強くなることがたまにあった。
そのとき必ず見るわけではなかったけれど、その感覚が強くなると見る夢があって、はじめに部屋の壁が視界に入る。
でもすぐ壁に掛けてあるカレンダーの印しが付いている日を見て、間もなく棚に飾ってある不細工なネコの縫いぐるみに目をやる。

曇った視界でその二つを交互に見ながら、誰かを強く憎む気持ちと、後悔する気持ち。
申し訳ない、悲しいという気持ち、そして家族への愛おしい気持ち・・
複雑な感情が混じって、色んな意味で苦しかった。
だいたいいつもその辺で目が覚めた。

カレンダーの印しが付けられていた日は、私の大学生活最後の文化祭の日で文化祭の数ヶ月前から私が、父と父の再婚相手を『文化祭に遊びに来てね』と招待している日でもあった。
不細工なネコの縫いぐるみは、幼少期に私が父にプレゼントしたもの。

あの夢の部屋は父の部屋で、父が自殺した場所でもあった。

遺骨を埋葬してからは徐々に首の炎症っぽいのも治って、気付いたら首が絞められてる感覚もなくなっていた。

あの夢は親の最期だったのかな、と思うと辛すぎて死にたくなる。

死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?251

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする