1つ足りない

小学生の時、カバン持ちゲームとかやらなかった?
帰り道とかに、参加者でジャンケンをして、パーで勝つと「パイナツプル」と6歩、チョキで勝つと「チヨコレイト」と6歩、グーで勝つと「グリコのおまけ」と7歩進める。
決まった回数ごとに、一番負けてる人が、他の人のカバンやランドセルを全部持って運ぶの。
で、曲がり角まで進んだら、また勝負。学校では禁止されてたけど。

それで、友達と3人でそれをやってた時があったのね。
勝負がつくと、みんなカバン置いてワーッと走ってっちゃうから、残った子はかき集めていく。

で、自分が負けた時、ランドセルとか手提げとか給食袋を、自分のも含めて7つ拾った。
それは、確かに数えたから7つ。
でも、次に負けたときは6つになってた。

あわてて「1つ足りない!」って叫んで友達を呼んだんだけど、調べても、足りないものは無いという。
みんな自分の荷物は全部あった。
人が持ってる時なんか、いちいち数えないから気にしてないし…。

あの1区間、自分は誰の荷物を運んでたんだろう。
それに、その後どこに行ったんだろう。
別に追って事件があったわけでもないんだけど、ささやかな謎のまま、今に至っています。

不可解な体験、謎な話~enigma~ 27

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