人型の穴

知り合いの話。

地元の山で藪漕ぎしていた時のこと。
いきなり目の前に、大きな平べったい岩が現れた。
黒い。岩自体の色というよりは、煤で焦がされたかのような印象を受けた。

三畳ほどの広さがあるその表面には、人型の穴が穿たれている。
少し小さい。中学生くらいが寝転べば、中にすっぽりと収まりそうだ。
こんな人が来ない山中の林に、何でこんな物があるのか。
見ているうちに段々気持ちが悪くなり、足早にその場を後にした。

後日再訪しようとしたが、現在に至るまで見つけられないでいるという。

山にまつわる怖い話24

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