異臭

同僚の話。

山で薪を拾っていた。
強い日差しの下で腰を屈めていると、フッと日が陰る。
あ、涼しいや。額の汗を拭って一息ついた。
その時、急に異臭がした。生臭い。
なぜか顔を上げてはいけないという気がして、そのまま硬直してしまう。

やがて臭いはしなくなり、再び日が差してきた。
恐る恐る見上げた空は快晴で、雲一つ無かったという。
その後すぐに山を下りたそうだ。

山にまつわる怖い話25

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