3つのテント

二年前の夏に山奥の川沿いで友達3人と俺の計4人で、一つのテントを張りキャンプをしました。
まだシーズン前でしたが俺達の他に家族連れ4人、男女4人のグループのテントの3組のテントがあり川遊びをしたり、夜には花火をしたりそれぞれ楽しそうに遊んでいました。

夜も更けこちらも騒いでいては迷惑かと思い、そろそろ寝ようと皆で横になっていましたが、蒸し暑さと床はデコボコでなかなか寝付けません。そんな時、隣のKが俺に話かけて来ました。

「カップルのグループがいただろ。あのグループは4人で一つのテントなんだって。残りの一つは既にあったらしいけどなんでだろう?」という話でした。
その時は誰かがテントを持ち帰り忘れたというのは不自然だなと思いながらも浅く眠りました。
そして夜中の三時頃、寒気で目が覚め蹴っていた寝袋を掛けようと起き上がった時、テントの網窓に視線が行きました。

川の向こう岸に白い風船が浮かんでいる…隣の家族の子供のかと思いすぐ横になりました。
横になってテントの入り口の方に寝返って寝ようとしていた時、隣のテントに先ほどの風船が縦半分に…え?風船じゃない。
それは人の顔の様なものが隣のテントの窓から中を覗き込んでいました。

そしてそれは隣をしばらく覗いた後、今度はカップルのグループがいるテントの方へ漂って行きました。
カップルの次はここかと思った瞬間、急に体が震えだしそれに見つかりたくない一心で寝袋を頭まで被ってそのまま朝方まで震えていました。

朝になり友達に起こされると、隣の家族連れはテントの収納袋や夕食のカレーの入った鍋を忘れたまま車で早朝に帰った後でした。
隣の家族、もしくは空のテントの持ち主もあれを見たのかもしれません。

山にまつわる怖い話37

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