今から十年程前。俺が中学生だった頃のちょっとした話です。
座敷でゲームをしようと赤白黄の線(音声と映像を出力する奴)をテレビにつなぎ振り返ると、足があった。
膝から下だけの足。俺から見ると爪先は、右を向いていた。
右足か左足だったかは覚えてない。
少しの間呆然となった。
すると足はスライドする様に後ろに下がり、消えた。
俺は、生まれて初めて「うわぁぁぁぁ!」と、漫画やアニメでしかないと思っていた叫び声を上げた。
家族の誰かが来てくれると思ったが、誰も来てくれなかった。
家族のは居間でテレビを見ていたが、ドアは開いていて、俺のいる座敷とは、距離にして5Mもない。
だが、居間に行くと誰も聞こえてなかったらしい。
その日は、ゲームをせずに寝た。
翌日、妹が座敷の隣部屋でクローゼットから服を取り出そうと選り分けていたら、服と服の間に俺が見た様な足を見たらしい。
足は、左右に爪先を降りながらガサガサと音を立てながらクローゼットの奥に引っ込んだらしい。
その後、俺の所まで慌てて来た。
其れから、飯を食っていると廊下を着物?を着た子供が廊下を走るのを見たり、階段の電気のスイッチを何度も入り切りする音がやまなかったりした。
高校に上がる頃から現象は、起きなくなった。良くも悪くも害はなかった。
落ちはない。
不可解な体験、謎な話~enigma~ 70