山梨で思い出したが、東京都から山梨に抜ける道で『和田峠』というのがある。
ネットなんかで昔「何か出る」とうわさになった峠だが、知人のおばさんが奇妙な体験をした。
おばさんのダンナは釣りが趣味で、あちこちに出かける。
2人はとても仲がいいので、おばさんもたいていいっしょに行く。
和田峠も何度か通った。
だが、おばさんに言わせると、
「和田峠は何か怖い。東京から山梨側に行くときはまだしも、帰りがものすごく気味悪い。窓を開けてあるときなんか、いっつも閉めるのよ。何か入ってくる気がするの」
その日も山梨で釣りをし、深夜になってから和田峠を通った。
『ああ、もうすぐ峠だなぁ』と思いながらふと外を見ると、なにやら青っぽい光が木々の間でチラチラしてる。
『釣り人かしら』と思い、目をそらしたが、車で走っているのにいつまでたってもその光が前方にいる。
?????ちょっと気味が悪くなり、ダンナに「おとうさん、懐中電灯の明かりかしら?ズッといっしょに来てる」と言うと、「わかってる。ありゃ、人の明かりじゃないよ」と言われた。
そいえば、明かりがしだいに増えている。
前にも後ろにも、車を取り囲むように迫ってきている気がする。
「おとうさん、もっとスピード上げて」
おばさんはもう気味が悪くて、青い光を見ないように目を閉じていたそうだ。
峠を越えてる時間がものすごく長く感じて、『早く、早く』と念じ続けた。
突然、車が下りに入ったのがわかった。
『峠を越えたんだ』と思い目を開けると、まちがいなく東京側に入って山道を下っている。
こわごわ周りを見回したが、あの光はもうなく、黒々した木々の間には何も見えなかった。
ほっとしたとき初めて、冷や汗をかいていたことに気づいたそうだ。
「よく言うプラズマとかには見えなかったよ。なんか生きてるような…?」
と、おばさんは言ってたが、正体はなんだったのかな。
和田峠は高尾から延びる陣馬街道を行き、陣馬山頂直下のピークの場所下れば藤野に着き、藤野は一応神奈川県下である。
そのまま20号続きで大月側に向かえば間もなく上野原で山梨県に入る。
和田峠は陣馬山頂の茶屋を営業する人達が車を止める場所で、オウムのテロ以降は、こうした山間にもオウム真理教の侵入を警戒する看板が目についた。
特に高尾側からのアクセスが長いが途中まで人家もあり、夜間は淋しいが、そんな事言っていたら顔振峠下の高山不動でも夜間の真っ暗闇の道は鬼気迫る物がある。
因みに、和田峠に鬼火が出るという話は聞かないが、山梨小菅から上野原に下る方は、『首切り清水』という出る沢があるそうだ。
山にまつわる怖い話75
コメント
爺が子供のころは狐火って言って山では普通に見たもんや