SMクラブにて

心霊じゃないんだけど怖かった話

昔SMクラブで働いてた。
その時に来たお客さんで一人今でも記憶に残る客がいる。

その客の見た目は芸人のなすびをガリガリにさせた感じ。
いつものように希望プレイのカウンセリングをしようとしたら、開口一番に
「もうなんでもいいからめちゃくちゃにして俺を壊して欲しい」
と言ってきた。

何故か、切羽詰まったかのような真顔で。
普通カウンセリングでこう言うお客さんはいないので、訳ありかな??と思って「どうして??」と聞いたら「俺はMかもしれないから、かなりの」と、真顔で言う。

疑念がわきつつも、相手はお客様なので
「任せて!!どんなプレイも得意よ」
と言って、ありったけの手持ちプレイをしてみるが………………………息子さんがたたない…

「ごめんね」と謝ると「いいよ…俺のメンタルな問題だから」とまたもや真顔で言ってくる。
こりゃ、本当になにかありそうだなと思って私は聞いてみることにした

「なんか入ってきたときから変だよ??」
と聞いたら
「え??他のお客さんはどんな感じ??」
「うーんとね??みんな緊張してるかワクワクしてるか、慣れた感じかのどれかだけど、あなたはなんか切羽詰まってるよーな感じ」
「…………そっか」

なすびに似てるくせに、シリアスだよこいつww
と笑いそうになりながらも、好奇心もあいまって、親切なフリをしながら、切羽詰まってる理由を聞きだそうと試みた。

「どうしたの??何かあったら言ってスッキリしてみて^^」
「………う~ん…………………言えない」
「なんで??」
「言ったら俺終わるかも…」
「終わらないよww大丈夫^^。私たちって一期一会の関係じゃん??」
「…俺の話を君は誰かに言うかもしれないじゃん??」
「言わないよー。SMクラブには守秘義務があるからね^^」←嘘です
「じゃあ…」と、そのお客さんは口を開き始めた

「いい??もしもだよ??もしもの話しとして聞いて??君だったらどーするか教えて??」
やっと話す気になった、なすび。

「うん^^」
「俺さ…いや、もしさ、女の子を監禁していて…周りの男からも口止めされてて、その女の子がもうこの世にいないとしたらどーする??」

これを聞いた瞬間、鳥肌がたった。私の笑顔も消えそうになった。
こいつもしかして殺人犯………。部屋には私と、殺人犯らしき男と二人きり…
一気に嫌な汗が出たが、なすびの方が恐怖に戦いてるような表情をしている。

「気になってるの??」
と聞くと
「…いやもしもの話だよ??」
と真剣な目で私を見てくる。
その目が見開いてるよーな目でまたこれが嫌な感じなんだよね。

自分の状況を考えて(殺人犯らしき男と二人きり、殺人犯らしき男は大荷物、なかに何か入っているかも、残念ながら店舗型ではなくSMホテル)冷静に返答した。

「私だったら気にしない。そうする必要があったんでしょう??だったらしょーがない。死んだ奴が弱いんだからしょーがない。戦争でも人は沢山死ぬ。また生まれるの繰り返しだから、ちっぽけなことだよ。私も似たような経験があるけど気にしてないよ。全く」
と嘘を並べつつ、私もあなたの味方ですよーなフリをした。

「…じゃあ俺気にしすぎなのかな?」
「うん気にしすぎ。普通はいちいち気にしないよ。過ぎたことはしょーがないじゃん??」
「…………そっか…やっぱ話してよかったぁあああ!!いや、SMプレイしたらモヤモヤが晴れると思って…ありがとう」

と言って爽やかな顔をして帰って行った。

なすびは、死相っていうのかな??やつれた顔をしてた。
二、三年前夏の出来事だけど今だに気になる。
ちなみに大阪。
怖くて警察に言えませんでした…なすびの戯言は冗談だと思いたい…

実話恐怖体験談!9

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. S より:

    「周りの男」が何者なのか気になりました…。