先輩の話。
インターハイの合宿キャンプをしていた時のこと。
夕御飯の片付けをしていると、どこからともなく子供の声が聞こえてきた。
こんな山奥に子供?
皆が不思議に思っているうち、だんだんと声がはっきりしてきた。
もういいかい?
あどけない男の子の声で、何度もくり返し聞こえたのだという。
顧問が「絶対に返事をするんじゃないぞ」と各テントに注意して回っていた。
夜の間中、キャンプ地の周りで、もういいかいと尋ねる声が聞こえていたそうだ。
明け方近くにやっと、声は彼方に去っていったという。
山にまつわる怖い話6