笑い声 2020/1/12 雷鳥一号 友人の話。 緑深い山道を歩いている時のこと。 頭上の梢がザザッとざわついたかと思うと、いきなり頭に何か落ちてきた。 ガンッという音がして、思わず膝をついてしまう。目から星が出たようだ。 息を吐いて衝撃を散らしていると、頭のすぐ上から下品な笑い声が聞こえた。 ゲラゲラゲラゲラゲラ・・・ 硬直した彼を嘲笑いながら、笑い声はゆっくりと上昇して小さくなっていく。 見上げる勇気など、とても出てこなかった。 声が聞こえなくなってから、全速力で逃げ出したという。 山にまつわる怖い話24