友人の話。
緑深い山道を歩いている時のこと。
頭上の梢がザザッとざわついたかと思うと、いきなり頭に何か落ちてきた。
ガンッという音がして、思わず膝をついてしまう。目から星が出たようだ。
息を吐いて衝撃を散らしていると、頭のすぐ上から下品な笑い声が聞こえた。
ゲラゲラゲラゲラゲラ・・・
硬直した彼を嘲笑いながら、笑い声はゆっくりと上昇して小さくなっていく。
見上げる勇気など、とても出てこなかった。
声が聞こえなくなってから、全速力で逃げ出したという。
山にまつわる怖い話24