友人の話。
天文好きな仲間が集まって、山に数日間こもったことがあるという。
街の光を避けて(光害と呼ぶのだそうだ)、星の写真を撮るのだと。
ある朝目を覚ますと、テントの中にいい匂いが充満していた。
味噌汁の香りだった。
誰も味噌など持参しておらず、誰もが首を傾げた。
その日の朝食はインスタントラーメンだったが、皆どこか物足りない顔だった。
結局、予定を繰り上げて、その日の内に下山した。
そして全員が麓の町食堂で、味噌汁のついた食事を摂ったのだそうだ。
山にまつわる怖い話12