大きめの白い鶏

里山を歩いていると、蕨を見つけたので摘んでいた。
摘み終わって顔を上げると、いつの間にか目と鼻の先に鳥がうずくまっていた。
少し大きめの白い鶏だった。

誰かが山に捨てたのかな、と思いながら嘴先に蕨を差し出してみた。
鶏は蕨の先をつついて飲み込むと、一声大きく鳴いた。
その鳴き声は彼曰く、決して鶏の鳴き声ではなかったという。
何というか、犬の遠吠えによく似ていたというのだ。

目を丸くして驚いていると、鶏は踵を返して山の中に消えた。
その尻尾は異様に長く、まるで白い蛇をぶら下げているように見えたそうだ。

山にまつわる怖い話4

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