雷鳥一号一覧

場違いな声

友人の話。 彼女の実家は山村で米作りを営んでいる。 稲刈りも終わった頃、畦横の水路を掃除していた時のことだ。 作...

歌う火

後輩の話。 部活で山を縦走していた時のこと。 行程の内で、腑に落ちない地形が一ヶ所あった。 なぜか緩やかな場所を...

人手を借りに

知り合いの話。 彼の奥さんが寝ていると、深夜誰かに起こされたという。 「もし」という呼び声で目を覚まされたのだが、...

朝顔の蕾

友人の話。 小学生だった夏休みに、実家の山村に里帰りしていた時のこと。 その家では朝顔が沢山咲いており、宿題の観察日...

人喰い石

同僚の話。 地元の山で行方不明者が出た。 消防団に所属していた彼も、捜索に参加した。 同日の夕刻、残念ながら不明...

神様と人形

知り合いの話。 彼の実家は山奥の神社である。 神主職を継いではいないが、社の仕事はよく手伝っているそうだ。 秋祭...

不気味な沼

知り合いの話。 彼の田舎には、溜め池が数多くあったのだという。 中に一つ、どうにも不気味な沼があった。 村外れの...

土着信仰

同僚の話。 東南アジアに出張していた時のこと。 彼が逗留していた村で、殺人事件が起きた。 部族の有力者が二人、連...

茶袋

友人の話。 下生えを刈るため、山に入っていた時のこと。 鎌を持つ手を休めて顔を上げると、すぐ先の梢に何か下がっている...

パッシング

友人の話。 大学生の頃、男ばかりの四人組で夜の峠に出かけた。 麓の港町の夜景を肴に、一杯やろうという腹だった。 ...

池の幽霊

友人の話。 彼の母君は園芸を趣味としている。 しかし彼に言わせると、「ありゃ園芸が趣味というより、本当は土木工事が...

狐に憑かれる

同僚の話。 彼は地元の消防団に参加しているのだが、以前に団員仲間で狐に憑かれた者がいたのだという。 いや、実際に狐か...