百日紅の木

友人の話。 山で下生えを刈っていた時のこと。 鎌を振る手を休め、近くにあった樹木によりかかって休みを取った。 「...

破魔矢

後輩の話。 彼のお父さんが、一人で初秋の山に入っていた時のこと。 ある夜中、とてつもない悪夢に襲われた。 夢の内...

転がる岩

知り合いの話。 かつて仕事仲間から、悩み事を打ち明けられたのだという。 仲間は山登りを趣味にしているのだが、つい先...

背比べの跡

私の体験した話。 山中の一軒家に、改装の仕事で呼ばれた時のこと。 洗面所の壁紙の寸法取りをしていると、入り口の柱に傷...

出来損ない

友人の話。 彼の実家の山村では、時々おかしな存在が出たという。 それは村の衆から「出来損ない」と呼ばれていた。 ...

猿の死体

知り合いの話。 大きな山火事の後片付けをしていた時のこと。 かろうじて延焼を免れた林の中で、大勢の猿が折り重なって死...

にやりにやり

友人の話。 彼女の実家は、山深い田舎にある。 都市部では縁遠くなった祭りなどがまだおこなわれていて、彼女曰く、帰郷...

狼煙

知り合いの話。 学生時代、仲間数人でキャンプしていた時のこと。 焚き火を囲んで雑談をしていたのだが、背後に下ろした手...