二匹の鼬

知り合いの話。 彼の村は山に少し入った所にあるが、明治になってから急に発展した。 時の村長が有能だったらしく、様々...

ピンポン球

知り合いの話。 夏の終わりに、山中の無人駅で野宿した時のこと。 ベンチで眠りにつこうとする彼の耳に、硬い小さな音が...

味噌汁の香り

友人の話。 天文好きな仲間が集まって、山に数日間こもったことがあるという。 街の光を避けて(光害と呼ぶのだそうだ)...

痕跡

知り合いの話。 大戦前のことだ。彼の里では、毎年夏の終わりに盆踊りを執り行っていた。 規模は小さいながらも、会場に...

猪捕獲機

私の体験した話。 仕事で遠出する際に、近道をしようと山中を突っ切ることにした。 普段と違う道を走っていると、小さな...

酒盛り

後輩の話。 学生時代に、仲間と共によく山登りしていたという。 梅雨明けのある時、いつものようにテントを張り、酒盛り...

メンコ

友人の話。 里山を歩いていた時のこと。 少し奥に入ったところで、小さな集落跡を見つけた。 十に満たない家屋は、一...