雷鳥一号一覧

灰色の猿

知り合いの話。 峠道を歩いていると、急に荷物が重くなったのだという。 ザックにはおかしいところは見当たらず、溜まった...

白い手

知り合いの話。 仲間三人で夏山を縦走していた時のこと。 開けた場所を選んでテントを張った。 その野営地には、た...

猿の呟き

知り合いの話。 一人で山に登った帰り道でのこと。 いつの間にか、ブツブツと呟く声が後ろの繁みから聞こえてきた。 ...

吠える声

先輩の話。 夕暮れ、深い森の中を歩いていた時のこと。 森の下斜面から、複数の激しい犬の咆哮が聞こえてきた。 野犬...

雪山の先導者

先輩の話。 大学生の時、部活で冬山登山に参加した時のこと。 避難小屋の近くで厳しい吹雪となり道に迷ったのだという。 ...

野良犬

私の体験した話。 仕事で、ある山奥の集落に行った時のこと。 現場の近くで、おかしな歩き方をする野良犬を見かけた。 ...

小さな箱

私の体験した話。 山裾の団地で民家の改装工事を請け負った。 屋根の葺き替えをおこなったのだが、ついでに猫を追い払っ...

五つの木

同僚の話。 消防団で行方不明者の捜索に駆り出された時のこと。 自殺の可能性があるので、急いでくれとのことだった。 ...

笑う猿

知り合いの話。 彼の祖父はかなりの偏屈で、人里離れた山中に独りで住んでいた。 人間嫌いで、彼の母が時々様子を伺いに...

不可侵の領域

知り合いの話。 彼のお爺さんが猟師をしていた時のことだ。 冬期で食料が乏しくなっていた頃、折りよく鹿を見つけ撃った...

戒名の日付

知り合いの話。 山歩き中に、寂れた古い小さな墓地に出くわした。 石畳に腰を下ろしポカリスエットを飲んでいると、妙な...