雷鳥一号一覧

小さな地蔵

先輩の話。 岩登りに出かけた時のこと。 途中の峠道に、苔生した小さな地蔵があった。 普段はまったく信心深くない彼...

奇妙な客

知り合いの話。 彼のお祖父さんは、山奥の村で雑貨店を営んでいた。 昔はそれなりに立派な家柄だったせいか、ちょっとし...

塩壺

知り合いの話。 彼の実家の裏山には、もう使われていない火葬場跡がある。 現在はかなり崩れており、僅かに泥壁の一部が...

遺骨

友人の話。 彼女の曾祖母が亡くなった時のこと。 山奥の火葬場で荼毘に付されたのだが、おかしな物が遺骨の中に混じって...

人型の穴

知り合いの話。 地元の山で藪漕ぎしていた時のこと。 いきなり目の前に、大きな平べったい岩が現れた。 黒い。岩自...

百舌の早贄

知り合いの話。 地元の野山で作業している時に、木の枝に奇妙な物を見つけた。 彼の肩くらいの高さで、蛙が枝に刺さった...

小さな石地蔵

友人の話。 飼い犬の散歩は、家族中で彼の仕事なのだという。 その夕暮れも、いつものように犬を連れ裏山を歩いていた。...

還ってくる

知り合いの話。 彼の家の近くには、割と大きな団地がある。 山中に切り開かれたその団地はまだ新しく、販売された当初は...

知り合いの話。 幼馴染みに山に誘われ、週末を利用して軽い山行に出かけた。 夜、焚き火を挟んでいると、いきなり打ち明...

妙に太い竹

同僚の話。 持ち山で竹を切っている時のこと。 一本だけ、妙に太い竹に出くわした。 普通の竹の倍はあったらしい。...

カバケ

知り合いの話。 山仲間と一緒に湿原を歩いていた時のこと。 遠くの方から「おーい」と呼ばわる声がした。 陰々と甲...

よくあること

同級生の話。 高校生の時、部活の合宿で山奥の寺に宿泊したのだという。 参加したのは七名で、皆一緒に大広間に寝泊まり...

お裾分け

知り合いの話。 造り酒屋をしている彼は、毎年の初めに、地元の神社に新酒を寄贈している。 新年の儀が終わると舞台に青...

茂み中の影

知り合いの話。 彼は青年団でご来光参拝の手伝いをしている。 近くの山に登り、頂上から初日の出を拝むという行事だが、...